今回の内容は「バイクタイヤの空気圧管理」に関して。
タイヤの空気圧を適正に保つことは想像している以上にかなり大切な点検内容です。
お気に入りの愛車に少しでも長く、大切に乗りたいと考えているのであれば、まずはタイヤの空気圧の点検からセルフメンテを始めてみるのがおすすめです。
空気圧管理をしっかりこなせている自信が正直ない方は、是非読んでいってみてください。
空気圧を適正に保つ重要性
まず当然ですが適正空気圧の確認はかなり大切です。
空気を入れすぎた場合の極端な例としては、タイヤが破裂したことによる死亡事故なんかも過去には起きています。
上記の事故は大型トラックタイヤへの空気充填中での事例ですが、バイクタイヤも決してあなどってはいけないものだと痛感させられる事故です。
またこちらはバイクタイヤの破裂の瞬間を捉えた映像です。

事故までは発展していないものの物凄い威力なのが分かりますね。
そのため、タイヤの空気を入れ始めて5~10秒ほど経っているのに全く指定空気圧に達しないときやメーターの針が動いていないときは要注意です。
単位を見間違えているか、メーターが故障している可能性もありますので少しでも異変を感じたら充填は中断することを覚えておきましょう。
空気圧は入れすぎも入れなすぎもダメ?
空気圧は入れすぎても入れなすぎてもだめです。
それぞれのメリットやダメな原因を以下にまとめましたので、ご紹介させていただきます。
入れすぎの場合
入れすぎた場合の主なデメリットは以下の4点です。
- 破裂の危険性あり
- 乗り心地が悪くなる(振動増)
- スリップリスクが増す(グリップ力低下)
- タイヤの寿命が短くなる可能性もあり(偏摩耗)
空位を入れすぎた場合、地面との摩擦・抵抗は減る為、単純に燃費は良くなります。同じエンジンエネルギーを与えたときの進む距離や出せるスピードも上がるのではないででょうか。
ですが半面にデメリットもあります。
まず、乗り心地の悪化に繋がります。
空気をパンパンに入れていると、タイヤが地面から受けた衝撃を吸収しづらくなり、直接振動がライダーに伝わる為結果として乗り心地が悪くなります。
振動の影響は短距離だとそこまで気にならないかもしれませんが、長距離ツーリングではいつも以上に疲労を感じやすくなるでしょう。
また、地面との接地面積も少なくなるので、グリップ力が弱くなりスリップなどのリスクが増します。
接地面積が低いことでタイヤのすり減り方に偏りが生じ、結果として偏摩耗を起こしタイヤの寿命も短くしてしまいます。
入れなすぎの場合
逆に入れな過ぎた場合のデメリットは以下の2点です。
- パワーロス、燃費悪化につながる
- パンクリスクが上がる(地面との接地面が増えるため)
自転車を想像していただくとわかりやすいですが、ペコペコにへこんだタイヤを漕ぐのとしっかり空気の入ったタイヤを漕ぐのでは体力の減り方がだいぶ違うかと思います。
バイクでも同じように、空気圧の低いタイヤでは同じ距離を走るのにも多くのガソリンとパワーを要します。
要するに空気圧のこまめな点検がちょっとした節約と燃費向上にもつながるのです。
さらには接地面積が増えるので、極端に言うと地面に落ちている異物を拾いやすくなるのでパンクリスクが上がります。
パンクをしてしまうと、修理費はめちゃくちゃ高くつきますので、その予防としても空気圧の管理は効果を発揮します。

私は過去に2度、すり抜けのしすぎが原因と思われるパンク事故に遭遇してます。
適正空気圧の調べ方
バイクごとに適正空気圧の記載場所は異なりますが、多くの場合、リアタイヤの付近やチェーンガード付近、
スクーターの場合は、メットインの中などにも記載が必ずあります。




空気圧単位はkpa(キロパスカル)が主流

kPa(キロパスカル)は国際単位(SI単位)に基づく空気圧表示手法の一つで、国内では1999年に制定された新計量法より使用されています。1パスカルは1m² の面積につき1Nの力が作用する圧力を表しています。
※タイヤの空気は空気は自然に抜ける
バイクに限らずですがタイヤの空気というのは乗っていなくても自然に抜けていくものです。あまり知られていないですが、タイヤゴムの分子レベルの小さな隙間から空気は抜けていくのです。
その為点検・メンテナンス頻度は最低でもおよそ1~1か月半に一回が理想です。より言えば、冬場はさらにこまめに見ておくことが良いかもしれません。
私は、バイクに乗るたびに必ず手で押してみて確認していますが、慣れてくると適正空気圧時の硬さ・へこみ具合が分かってくるかと思います。
バイクタイヤの空気はどこで入れればいいの?
適正空気圧の重要性はよくわかったが、実際問題どこで補充すればいいのか分からない方なんていう方も多いと思います。

バイク屋さんに空気入れだけ頼むのは気が引けるし、工賃取られたりしたら困るなぁ。
お金をかけずに自分で入れられるところとかあるのかね。
そんなとき、自前の空気入れや機器を持っているような場合を除けば、基本的には近所のガソリンスタンドでの補充が一番身近で手っ取り早くおすすめです。もちろん料金は無料です。

ガソリンスタンドには、ほぼほぼ上記画像のような空気入れが常備されています。
使い方はバルブのゴムを外して、コンプレッサーと接続するのみで準備はOK。接続が完了すると、現状の空気圧がゲージに表示されるかと思います。ゲージに空気圧が表示されていない場合は、差し込みが甘い可能性があります。
少し強めに押し込んだり、軽くひねったりしながら押し込むとプスットなった後にゲージが動くかと思います。
※どうしても使いかたが分からない場合は店員さんに確認してみましょう。


接続が完了した後は、空気を少しづつ入れていきます。
先程も伝えたように適正空気圧をしっかり把握した状態でかならず入れるようにしましょう。入れすぎた場合は、空気を抜く側のトリガーを押すことで簡単に調整が出来ます。
給油時に寄ったついでなんかにメンテナンスをすることがおすすめです。それであればこまめな点検が自然に行えるでしょう。
店舗によってはバックヤードに空気入れが隠れていることもあります。その場合は店員さんに声を掛ければ快く貸してくださるははずです。
※ガソリンスタンドが近所にない方は空気入れを買ってしまうのもあり
自宅の立地によっては近所にガソリンスタンドがなく、こまめな点検が億劫になる方もいるのではないでしょうか。
そんな方は、いっそ自宅用に空気入れを買ってしまう方法も一つの手段です。
基本的にはバイク用のアタッチメントがあれば自転車用の空気入れなんかでも補充は可能です。
オートバイには基本的に「米式バルブ」が使われていることが多いです。上記のような簡易変換バルブがセットがあれば、自転車用空気入れでも簡単に空気を補充することは可能です。
欠点としては、
- 自転車と違い労力を要する
- 空気圧ゲージの付いていないタイプは危険
が挙げられます。
そんな場合にはやはりバイクタイヤ専用の空気が必要になってくるでしょう。自宅用簡易空気入れの個人的おすすめ品は別記事にまとめてあります。
〜こちらもおすすめ〜
※空気を入れるタイミングは「走りだす前」がベスト
タイヤはその性質上、ある程度走りこむと地面からの摩擦などを受けることにより熱を持ちます。
熱は帯びることでタイヤのグリップ力を高める効果がありますので大切なのですが、空気圧を測る際や空気を入れる際には弊害にもなっていきます。
これはみなさんご存知かと思いますが、熱を持つと空気は膨張しますね。
膨張することで空気圧に影響を与えるので、熱を持ち始めない、走り出してすぐのタイミングなどでガソリンスタンドに立ち寄るのが良いです。
もし熱をもってしまうと冷めるまで30~1時間待たないといけなくもなりますのでご注意ください。
また、直射日光に当てた状態でももちろん熱を帯びやすくなるので、なるべく日に当たらない状態で保管していた時点での空気圧を測るように心掛けましょう。
※バルブの形状・位置により入れずらい場合は「エクステンションバルブ」が便利
バイクの車種によってホイールの形状は異なります。
また空気入れの先端の形状もメーカーに寄りけりです。
そのため相性が悪ければ空気入れのバルブが入りづらいケースもあります。
バルブとの相性が悪いまま作業をしていると、最悪バルブ自体を痛めてしまい高い修理費が必要になることもあり得ます。
そんなときはタイヤ側のバルブを延長させる商品もあるのでそちらを使うと良いでしょう。
差し込みづらいバルブに無理やり装着することはストレスも溜まりますし、バルブ自体にもあまり良くはありません。
まとめ
タイヤの点検は慣れてしまえば簡単なことですが、しっかり行っておくことで転倒やスリップの予防、燃費向上にもつながる重要な内容です。
個人的にはガソリンスタンドに寄ったついで気軽に点検をする癖を付けることをおすすめします。
またバイク仲間のタイヤなんかも気にかけてあげることで仲間内での安全意識向上にも繋がります。大切な仲間が事故に遭われてからでは大変ですからね。
今回の内容を読んで頂いた皆さんには、是非早めに点検していただきたいです。