バイクの教習所ではキープレフト走行を指示されることがほとんどですが、公道では時に臨機応変な対応が求められます。
10年間バイクに乗って公道を走ってきた今、個人的に思う事としては、125cc以上のクラスのバイクであればキープレフト走行を意識しすぎるのはおすすめしないということ。
今回は、何故おすすめしないのか、キープレフト走行がもたらす危険な理由3つを交えて解説していきます。
バイクのキープレフトが危ない4つの理由
10年バイクに乗り、実際に公道でのキープレフト走行が危険だと感じた理由は以下の4つに絞られます。
①車の死角に入り込みやすい
キープレフトをおすすめしない理由のひとつに、死角に入りやすいが故にもらい事故に遭う確率を高めるからというものが挙げられます。
想定できる場面としては、対向右折車両に巻き添えを喰らうケース。
上図は車からの目線をイメージして作ったものですが、見て頂いて分かるようにライダー側が思っている以上にバイクの車体は綺麗に前方車の陰に隠れます。
いわゆる右直事故にバイクが巻き込まれるケースは多いですが、中にはバイク側の走行位置が悪いことが原因となり起きることもあるようです。
その為交差点などでは特に、周囲車両へ存在を認知してもらいやすいように走行しましょう。
②車に追い抜かれやすくなる
無意味にキープレフト走行をしていると、後続車が「追い抜いていいのかな?」と勘違いしやすくなります。
車から見るとバイクは追い越ししやすい存在。後続車がせっかちなドライバーであれば車間を詰め、追い越しをしようとしてくるでしょう。
これが起こっても貰い事故に遭う可能性は上がりますし、「煽り運転」に繋がるきっかけになるかもしれません。
公道を走る時は、自身の走り方が周囲車両に誤解を招きやすくはないかも考えながら走る必要があるでしょう。
③道路端は異物がゴロゴロ
キープレフト走行は、道路端に溜まっている異物を無駄に踏みやすくなります。
踏んだものが石とか木であれば大したことはないですが、中には釘や金属片、ガラスなんかも落ちていることも十分あり得ます。
特に前者の釘や金属片は簡単にバイクタイヤをパンクさせます。
※ちなみにバイクタイヤのパンクはほとんどが後輪です。これは前輪で釘を踏んだ時のはずみで釘が直立に立ち、その状態で運悪く釘を踏んだ際に綺麗に後輪に突き刺さる為とのこと。
パンクによる無駄な出費や時間ロスを避けたいのであれば極力道路真ん中寄りを走りましょう。
④出会い頭の事故リスクが上がる
左側を走っていれば、見通しの悪い路地では出会い頭の車両や対人との事故が起きやすくなります。
逆に、道路の中央を走っていれば万が一の時にも咄嗟の判断が取りやすく、事故を回避できるかもしれません。
怖いのはやはり子供。飛び出てくる時には本当に避けられません。
こういった理由から、徹底したキープレフトは危険が多いと考えられます。
バイクのキープレフトは義務なのか
バイクのキープレフト走行は道路交通法に則ると確かに義務にはなりますが、
法律上では【極端な左端を走るニュアンス】では書かれていなく【道路中心から左側を走ればOKなニュアンス】で記載されています。
(左側寄り通行等)
第十八条車両(トロリーバスを除く。)は、車両通行帯の設けられた道路を通行する場合を除き、自動車及び一般原動機付自転車(原動機付自転車のうち第二条第一項第十号イに該当するものをいう。以下同じ。)にあつては道路の左側に寄つて、特定小型原動機付自転車及び軽車両(以下「特定小型原動機付自転車等」という。)にあつては道路の左側端に寄つて、それぞれ当該道路を通行しなければならない。
なので、バイクなら道路の左端に極端に寄って走行しなくても検挙されることは基本ありません。
危険な運転でなければ道路の中央付近を法定速度で走行することは何ら問題ないのです。
キープレフトの意味を勘違いしてはいけない
バイクにおけるキープレフトの意味合いを勘違いしている方は多いです。それもそのはず道路交通法の書き方が紛らわしいのです。
しかし道路交通法をよく読むと、道路の本当の左端を走らなければならないのは自転車や軽車両のみ。
そしてバイクや車両にキープレフトの義務が発生する道路は【センターラインのない】道路でのこと
最近ではセンターラインの無い細い道路も少なくなりましたが、道交法制定時の頃の日本ではまだまだ多くありました。
この記載がされているのはその為。現代の日本ではほとんどの幹線道路でキープレフトを義務として走行しなくてもOKと言えます。
高速道路はキープレフトが義務になっている
高速道路では基本、左側の走行車線を走行し、右側の追越車線は追い越しの時だけ走行するのがルールです。
一般道と高速道路ではルールも異なり、走行車線を意味もなく走り続ければ検挙されるリスクも上がり危険です。
高速道路ではどんな車両であれキープレフトを徹底しましょう。
原付に関しては”なるべくキープレフト”が望ましい
ただ、原付に乗る場合は基本道路の左端に寄って走行しましょう。
理由は速度の影響。制限速度30キロを遵守して道路の真ん中を走行すれば周囲の車両の邪魔になることは目に見えます。
またそれがきっかけで事故や煽り運転を誘発しても危険です。
原付に関しては教習所で習ったとおり左端を大人しく走るのが無難です
まとめ
いかがでしたでしょうか。
バイクは生身の体をむき出しにして乗る乗り物である以上、車以上に集中して運転する意識が求められます。
原付に乗っていたころの名残が残り、つい癖で左寄りを走ってしまっているライダーさんは結構多いですが、その何気ない癖は事故に遭うリスクを無意識に上げてしまっているかもしれません。
これを読んでくださったみなさんは、今日からバイクに乗る時にご自身の走り方を改めて見つめ直してみましょう。
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