先日、「ヤマハ TRACER(トレーサー)900」に試乗する機会がありましたので
今回は愛車のMT-09との違いも交えながら、乗り心地や感じたこと等を軽いインプレッションとしてまとめてみました。
購入を検討している方や、ご興味をお持ちの方は是非ご覧ください。
【MT-09×トレーサー900】スペックの比較
MT-09(2018年式) | トレーサー900(2018年式) | |
---|---|---|
タンク容量 | 14ℓ | 18ℓ |
車重 | 193キロ | 214キロ |
全長・全高・全幅 | 2075mm × 1120mm × 815mm | 2160mm × 1375mm × 850mm |
シート高 | 820mm | 850mm |
【MT-09と比較】乗り心地の違いは?
トレーサー900はMT-09と同型のエンジンを積んでおりますが、乗り心地は”エンジンのチューニングが違う影響”からなのか、かなり異なった印象を受けました。
結論から言うと、トレーサーの方はどちらかと言うと四気筒エンジンに近いような滑らかな印象を持ちました。
(※ちなみに走行モードは「STD」で走行。MT-09のSTDモード時との比較です。)

とはいえ、加速感が弱いかというとそうではなく、アクセルを開けば一気に加速はしてくれます。ただその加速力は、やはりMT-09のが強か感じたといったところが率直な意見です。
そして音に関しても明らかにトレーサーの方が静かに感じました。
過激さよりもマイルドな走りと品のあるサウンドを求めている方には非常に好かれるバイクだと感じました。
乗って感じたトレーサー900の特徴
アドベンチャーの中では悪くない足つき
私の身長は175センチですが、アドベンチャーにしては比較的低めなシート高かな?と思います。
足つきは全く問題なし。とはいえ、べたべたに足が付くわけではないので慎重な取り回しが必要です。
それに車高が高いので、万が一車体を倒した場合は起こすのに一苦労しそうです。
実燃費は下道で23〜24km/l
燃費に関しては、下道において約23~24km/l、高速道路走行時に約24~25km/lと言ったところです。
大型バイクとしては良くもなく悪くもなくですね。
ただタンク容量が大きいので(18L)、かなりひねって走っても航続距離400キロは行くかと思われます。
風防&ハンドガードにより前からの風には強いが…
トレーサーは見た目の通り完全な風防装備が初めから付いているため、前からの風の影響はほぼ受けません。
高速道路等、直線走行時はかなりの疲労軽減効果が期待できることでしょう。
しかし、反面に横風にはやや弱い印象を受けました。
これは予測ですが、全体的な車体面積が大きい割には車重が軽いことが影響しているかと感じました。
これは乗ってみないと中々感じづらい盲点ですが、やはり横風に負けないためには普段の取り回しのしやすさを捨てた車重の重いバイクが優位になるのでしょう。
慣れないとワインディングは怖い
トレーサーは全体的な車高が高く、さらにはハンドル位置も一般的なバイクと比較して高いので姿勢は完全直立。
その為、乗り心地に慣れるまでは車体を寝かせる必要のある峠道やワインディングにおいて、バンクをさせるのに若干の怖さを感じる場面が多かった印象です。
ただ姿勢が起きていることで視野が広くなり、存在感のあるメーターパネルも見やすいです。
それに前後サスペンションが良く動きやすいつくりの為、タイヤの接地感は強いので、
バイク自体の特性に慣れてくれば、ワインディングにおいてもスポーティーな走りが演出できるかと思います。
シートの座り心地は意外と痛い…
シートに関しては、他のアドベンチャーバイクと比べるとやや硬めでした。
硬いことにより、スポーティーな乗り方もできるのが長所ですね。
そのため、どうしても痛くて慣れない方は、後付けのクッションをシートに乗せるか、ツーリング中こまめに立ち姿勢を取り、お尻の血行を促すことが効果的でしょう。
トレーサーはハンドル位置がかなり高いので、立ち乗りはかなりしやすいです。
”風が当たらない&静か”な事によるデメリット
風がほとんど当たらなくエンジン音の静音性能も高いため、加速時の快感は格別なものですが
弊害として感じたのは、「速度感覚の麻痺」をしやすいという点です。
特に乗り初めの方なんかが気持ちよく飛ばしていると、あっという間に法定速度を大きく超えているなんてことも起きるかもしれません。
特に長距離ツーリングで、初めて走る道をかっ飛ばしていると、青い帽子の方たちに免許を停止させられてしまうかもわかりません。
まとめ:快適、静音、マイルドな走りを求める方にはおすすめ
トレーサーは過激なバイクを求めている方にはやや物足りないですが、
500キロ以上の長距離ツーリングに出かける目標がある方や、とにかく疲れづらいバイクを求めている方、走りにおける安定感を求めている方には持って来いな一台です。
さらにあまり知られていないですが、日中等明るい場面を走行する際はヘッドライトが片目点灯なのですが、トンネル内だったり夜間になると両目点灯するようです。
こういった機能は個人的にかなり好きで、MT-09もそうした仕様にしてほしかったくらいです。
全体的な機能等を考慮してもコスパが非常によく、人気の理由がよく分かりました。
コメント
[…] 別のインプレ記事:ヤマハ トレーサー900に乗ってみた […]